VOL12 Out Mount furniture 外山さん
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「情熱ある若者大陸」へようこそ!
今日は念願の「弥彦村」の若者からお話を聞く事ができました!私たちが考える燕三条は「燕市」「三条市」「弥彦村」の3つの地域で考えています。燕や三条には「ものづくり」や「伝統」「技術」や工場などの特性がありますよね。弥彦には燕や三条にはない「自然」や「観光」などの大きな強みがありますよね。そんな弥彦の若者にズバリ聞いてきました!
佐藤:今日は宜しくお願い致します
外山:ありがとうございます。本当に僕でいいんですよね。
佐藤:大丈夫です(笑)
外山:わかりました(笑)
佐藤:まずはプロフィールお願いしてもよいでしょうか。
外山:外山です。弥彦で家具職人やっています。家族は嫁さんと子供が2人ですね。
佐藤:ありがとうございます。家具職人を目指されたのは何歳くらいの時でしたか。
外山:23歳のときだったと思います。
佐藤:その時はどこで修行されたのですか。
外山:糸魚川市上路に工場があり、そこで修業をしていました。
佐藤:あれ?関東地方にいらっしゃったとか?
外山:15歳ころからは神奈川と千葉にいました。
佐藤:えっ15歳からですか?
外山:はい。当時はしたいこともなくって強いて言えば一人暮らしがしたかっただけだったんですよね。
佐藤:あーなんかわかります。僕も小さいころ憧れましたもん。そのころ他に夢などはありましたか?
外山:初めて読んだ漫画が「がんばれ元気」で、それがきっかけになってプロボクサーを目指していました。小さいころ大きくなった時の夢を書くことってあるじゃないですか。その時の夢がチャンピオンではなく、ただプロボクサーになりたいって書いていましたね(笑)
佐藤:なかなか堅実な「夢」だったんですね(笑)ちなみにがんばれ元気のお気に入りのシーンとかってありますか。
外山:2巻で「シャーク堀口」が亡くなるところが一番のおすすめのシーンです(笑)
佐藤:うわぁ~わかんないや・・・でもそこでボクサーになるスイッチが入ったんですね
外山:いやいや、まだ全然入っていないんです。その後かなぁ・・・ちょっと恥ずかしいなー
佐藤:あまり膨らませない方が良いですか(笑)僕はとっても興味があるんですけど(笑)
外山:そうですね。あまり深く掘り下げない事をお勧めします(笑)
佐藤:でも漫画がきっかけで本当にプロボクサーになっちゃうってすごい事だと思いますね!行動力があるというか「夢」に向かって突き進むというか・・・
外山:本当に掘り下げるんですか(笑)
佐藤:分かりました(笑)この辺で質問にしますね。では家具つくりを始めたのきっかけってどんなきっかけだったんですか。
外山:今話をしていたプロボクサーを辞めてから半年ほどして他にしたいこと無いかな~って色々探していました。とりあえず何から始めてよいのかわらかなかったんで、「盆栽」や「コケ玉」つくりのワークショップなどにも参加しましたよ。
佐藤:またドえらいワークショップに参加したんですね(笑)
外山:そうですね(笑)そして、あるとき部屋の棚を作ろうって思って自分で材料買ったりして一人で作っていたんですよ。そしたら夢中になりすぎて気が付けば夜中になっていてその時に「あー俺のやりたいことってコレなかもしれない」って思って
佐藤:また行動が早いですね!すごいなぁ
外山:(笑)それからHPを調べて木工会社とかに手当たり次第電話をかけましたねぇ
佐藤:ちなみにどんなキーワードで検索されたのですか?
外山:家具、職人、見習いでしたね。
佐藤:その時つくった思い出の「棚」は今もご自宅にありますか?
外山:いや~廃棄しちゃいました(笑)
佐藤:あらま(笑)記事的に良いターニングポイントだと思ったのに!でも創作ってそういうものなのかもしれませんね。
外山:お恥ずかしながら(笑)
佐藤:ちょっとした体験・経験から家具職人への修業へ進まれたのですね。またその頃から独立は考えていたのでしょうか?
外山:そうですね。やっぱり頭の片隅には「独立」は考えていました。僕の知っている家具の世界では実際に独立される方は2,3割くらいだと思いますよ。
佐藤:独立を考えた時、どこで独立するかって重要だと思うんですよ。やっぱり地元である弥彦に戻るという選択肢が出てきたんですか?
外山:んーどうだったかなー(笑)ちょっと話は違うかもですが、家具職人て東海道沿いが多いですよね。僕、長男だったこともありますし、地元との繋がりはなんとなくあって、そうしたら自然と弥彦へ帰ろうと思いましたね。また、今思うと弥彦を離れていた時も「祭り」には必ず仕事を休み帰省していました。
佐藤:なるほど、地元との繋がりが県外に行ってらっしゃった時にも切れなかった事が大きいのかもしれませんね。そういう事ってすごく大事だと思いますね。
外山:僕が所属している「弥彦氏子青年会」の存在も大きいですね。
佐藤:外山さんをご紹介頂いたのも氏子青年会の羽生さんでしたからね(笑)
外山:戻ってきたときも居場所があったという感じがしますし、色々と相談にのってもらったり協力してもらったりしているのでそういう意味ではすごく助かっているなーと思いますね。
佐藤:「祭り」っていう1つの伝統文化が外山さんと弥彦を繋いでいたんですね~
外山:ちょっと大げさすぎる気もしますが(笑)でも心の奥底ではあったかもしれませんね。
佐藤:そんな想いがある地元弥彦で実際に独立した瞬間はどんな感じでしたか?
外山:当初はアトリエではなく車庫でやっていました。そんな状況の中でもありがたいことに仕事を多くいただいていました。そして、2年ほど前に今のアトリエを購入した時に初めて独立した実感が湧きましたね。
佐藤:実際に自分のアトリエが完成した時の気持ちはどうでしたか?
外山:正直最初は、お金を借りることは大変だなと思いました。起業って大変なんだなぁって。
佐藤:起業の大変さを実感されたのですね。
外山:そうですね。お金の部分だけで、機械とかは比較的好条件で見つけることができましたね。夢が叶ったと言うよりは、スタートラインに立った状況でこれからだなと感じました。
佐藤:夢がかなった=スタートラインに立った感覚だったですね。
外山:はい。仕事だけでなく、プライベートにおいても結婚した年でもありましたのでバタバタした思い出がありますね。
佐藤:色々な事が重なったスゴイ濃密な年でしたね。
外山:そうですね。だからあんまり当時の記憶って思い出せないんですよ。それだけ内容の濃い年だったんだなって思います。ドタバタではありましたが、その頃ちょうど立ち読みした漫画の言葉に勇気づけられたんですよ。
佐藤:あはは(笑)外山さんにとって「漫画」はかなりキーポイントになりますね。どのような一言だったんですか。
外山:タイトルまでは思い出せないんですけど、漫画の中で坂本竜馬だったかなぁその人が「人生なりゆきじゃけぇのう」みたいな台詞があって。ビビってきたんですね(笑)
佐藤:いいじゃないですか「人生なりゆきじゃけぇ」!僕その感覚嫌いじゃないなぁ。でもその台詞が外山さんご自身にとってかなりターニングポイントとなったんですね。
外山:俺わりと適当なのかもしれませんね。
佐藤:そんなことないですよ(笑)さて、そこから今に至るまでどのような苦労がありましたか?
外山:そうですね。仕事自体は結構大変で、寝ずに家具を作っていた事もありましたが、作ることはやっぱり楽しかったですね。あと、修行した糸魚川時代の同僚で志が高い仲間がいた事も心の支えになりましたね。
佐藤:職人仲間って感じですね。今もその方とは今も交流しているのですか?
外山:現在、彼は家具職人をしてないんですけ、年一回は会っていますね。関西の方で仕事してるんですけど、僕より年下のくせに本当に志というか意識が高いんですよ。俺も負けてらんないな~って。
佐藤:良い関係性ですね。ちなみにどうやって行かれるんですか。
外山:車です。7時間くらいかけて(笑)
佐藤:おぉ!ハードですね(笑)
外山:笑い話なんですけど、思い悩んで彼に会いに行くじゃないですか。んで7時間も一人で車運転するじゃないですか。そうしてるといつの間にか悩みが解決しちゃっているみたいな(笑)んで結局二人で飲みにいってというパターンもありますね(笑)
佐藤:あーわかります。僕も出張営業なんで2時間くらい一人で運転してるとモヤモヤしていた気持ちがスッキリする時とかありましたよ。
外山:そんなもんなんですよね。結局一人でも解決できちゃうっていうか。
佐藤:ですね。でも外山さんのその友人はきっと外山さんにとって良い影響を与えてくださっているのも理解できます。ライバルっていうかなんていうか。
外山:そうですね「刺激」を与えてくれる人ではあるかもしれません(笑)
佐藤:ありがとうございます。それでは次の質問に入りますね。このまちに戻ってきてから不便に感じるところはありますか?
外山:とくにないですかねぇ。糸魚川にくらべれば外灯もあるし(笑)なんというか程よい田舎な感じが逆に好きですね。都会と比べればまた違いますけど
佐藤:なるほどですね。それでは逆に弥彦のこれは良いって所ってありますか。
外山:んーそう聞かれるとなー(笑)てか逆に何かあります?弥彦のイイ所。
佐藤:おっと逆質問ですか(笑)そうだなー僕は月並みですが、「弥彦神社」ですかね。初詣とかは行きますし、あとは「温泉」、「弥彦山」。燕や三条は「企業」や「技術、伝統」とかですけど、弥彦は圧倒的に「自然」や「観光」としての条件が素晴らしく整っていると思います。以前燕市や三条市の人たちに聞いたんですけど、弥彦にしかない絶対的な強みだっておっしゃってた記憶があります。
鳥辺(カメラマン):僕は燕三条青年会議所に入会してから昨年「湯かけ祭り」に参加したんです。今年は広報担当として関わりました。「湯かけ祭り」は楽しかったですね。また、こんな祭りがあるんだなーって初めて知りましたし、こんな近隣に見物客も参加できる素晴らしい祭りがあるのだと気付かされました。
外山:あーありがとうございます。あの祭りは上に乗ると「お湯」を掛けることは出来ますしお酒も飲めるしさらに楽しいですよ(笑)
佐藤:この時期だと菊まつりなど見どころ満載ですよね!弥彦には燕や三条にはない独自のものがありますね!
外山:この時期はいたるところで渋滞が起きるほどですからね。
佐藤:菊まつりや二年参りなど、弥彦ってすごく渋滞するじゃないですか。もうちょっと交通インフラとか整備しても良いと思いませんか?
外山:いいんですよ。そういう時くらい「渋滞」しないと(笑)
佐藤:あはは(笑)渋滞=賑わっている弥彦みたいな(笑)
外山:そうです。たまには渋滞があったほうがいいんですよ。
佐藤:ありがとうございます。面白いな~さてそれでは次の質問に入りますね。帰郷した弥彦でやりたいこと。または新しい夢などは何でしょうか?
外山:今仕事しながらそういう事を考えている。夢や志求め中って感じです。
佐藤:まずは足元をしっかり固めて、でも常に次の事を考えながら仕事を続けているって感じですね。
外山:あんまり考え込むのは良くないかなって。
佐藤:そうかもしれませんね。なんというかこうリラックスした時とかにちょっと考えるとかの方が良いのかもですね。
外山:以前から廃材を使って自分の考える家具を作ったりしていてその時間がすごく楽しいですね。この時間がないとリフレッシュできないんですよね。
佐藤:創作の時間ですね。ちなみにそこにある椅子もそうですか?
外山:この椅子はデザイナーからの依頼の試作です。僕一人でやっている会社なんでやっぱり量産には向かないんですよね。大きな会社では受けてもらえないような少数の家具を作る仕事が今はメインです。
佐藤:小ロットの仕事ですね。
外山:むしろ小ロットでないと仕事をこなせないのが現状です。
佐藤:たとえばどのようなところからの仕事を受けているのでしょうか?
外山:インテリアショップや建築関係などですね。関東のショップからの依頼もありあす。
佐藤:へぇ~関東方面にも繋がりがあるんですね。
外山:結構飲み会で知り合うんですよ。それが仕事に繋がったりするんですよね。
佐藤:面白いですね。どういった流れで飲み会になるんですか。
外山:知り合いからこんな方と飲むけど来ないか?と誘われることが多いです。そこからこんな家具を作れないかな~ってなってそうしてこのアトリエへ来てもらってという流れですかね。
佐藤:なるほど。ちなみにそういったショップや建築関係などではなく、個人が直接こんなものを作って欲しいとの依頼なんかもあるものですか?
外山:そういったお客さんは雑誌に載せていただいた記事を見て直接ご来店いただくことが多いですかね。また、時々クラフトフェアーなどのイベントに出店し見ていただいた方からのご来店もありますね。
佐藤:雑誌にもでているのですか?それは、先方からの依頼ですか?
外山:はい。イベントに出た時に名刺交換をしたことがきっかけでオファーをいただきますね。
佐藤:外山さんの人柄が人々とを結び付けているんですね
外山:いやただ飲みたいだけかもしれませんよ(笑)
佐藤:最後にトヤマさんの考える燕三条地域の「未来を切り拓く力」とはなんでしょうか?
外山:去年ですがいとこが就職が決まるまで、バイトで来ていた時にもう少しがむしゃらさがあったらいいのにと感じましたので、私の考える力は「がむしゃら」です。その後がむしゃらを調べたら無鉄砲みたいなことが書いてありましたけど(笑) あ、ちょっとそれだとマズいんで・・・「がむしゃらら」にします(笑)突っ走ることも大事だけど、ちょっと振り返ることもしろよって!
佐藤:「がむしゃらら」ですね(笑)そのくらい勢いがあった方がいいということですよね。あまり考えずに突っ走る!でも行き過ぎないでねって事ですね! 今日はありがとうございました!
今日のオフショット。外山さんの「作品」です(´▽`) 私がいうのもなんですが、とても個性的な作品が多いですね~小さな「きのこ」のような「椅子」の模様は趣味のアフリカンミュージックの時に着る衣装や布を使っているそうです。かわいらしいですねぇ